ここ数ヶ月イタリアの食育(食の教育)に関する研究をしていらっしゃるK教授とパルマ近郊を一緒に回った。
パルミジャーノ・レッジャーノの協会が、子供向けに分かりやすい本を作ったり、パルミジャーノ・レッジャーノ工場に学校が見学に行ったりという活動をしていたりというのは知っていた。
エミリア・ロマーニャ州は、イタリアで一番最初に食育を始めた州らしい。
イタリアの家庭のほとんどは、共働きで、親がお料理をする時間がない。
結構レトルトや、冷凍食品で済ませている家庭も増えてきている。
20年程前、チェントロにマクドナルドが出来たのに、あっと言う間に閉店してしまった。そんな食文化のあるはずのパルマで、この10年、私が知っているだけで、マクドナルド3店舗、冷凍食品専門店3店舗が開店し、郊外にも大型スーパーが立て続けに増え、街の小さなサルメリアは閉店。明らかに街の食生活は変わってきている。
そんな中、興味深い研究に同行させていただいた。
食育の一環として、学校でパルマ近郊の農場に行き、パンをこねたり、動物に接したりということをしている。
この日は、幼稚園の3歳児が、パン作り。
こんな風に、楽しみながら、、、先生は大変そう!!
それぞれが作ったパンはを発酵させて、
焼いている間に、麦を潰して白い粉ができるのを見る。
焼きあがったパンは袋に入れて、それぞれお家に持ち帰る。
子供の時の経験、記憶って凄いもので、小さな経験が将来の選択を決める根となっている可能性もある。
子供たちが大きくなってから、この経験について話す機会があったら、面白いかもしれない。子供たちの感性に少なくない影響をもたらしているのではないか。
普段牛や、ウサギなど、見ることもない子供たち。
今のイタリアの政治、経済状況を考えると、先は真っ暗だけど、こういう子供たちのために働く農場主さん、学校の先生の力は、小さな希望。