イタリアもここ数年プランターで野菜を育てたり、有機栽培の野菜が売られたりと、昔に比べて安全な食に気を使っていると思います。
世界的な傾向でしょうね。オバマ大統領の奥様も畑作りを自らして、市民に奨励していくるらいですから、、、。
わたしが加入しているGAS(GRUPPO DI ACQUISTO SOLIDALE)も、基本的にはキロメトロゼロ(間に中間業者の入らない作り手の顔が見える所で安心できる商品を購入する)というのが哲学です。
パルミジャーノ・レッジャーノも乳を出す牛の食べ物まで調べて、牛の食べ物も全て自社で賄っている安心できるパルミジャーノ・レッジャーノを購入しています。こういう風に市民は安全な食に敏感になっているのに対向して市はダイオキシンを排出すると分かっている焼却炉を作ろうとしているのです。
私の住んでいるところからは南に約20km離れています。直接生活に影響はないか、、、と思われそうですが、アイスランドの噴煙でローマの空港まで閉鎖された事件を覚えていらっしゃいますか?北からの風が吹けば家まで飛んでくることは可能です。家からさらに約5km行けばもうパルマハムの工場があります。まあ最近は、ハム工場の窓を開けることは少なくなっているでしょうが、、、、。
それでは、私が反対している焼却炉はどういうものか少しだけご説明したいと思います。
この焼却炉は、2つのラインからなっています。それぞれのラインで65000トンのゴミを焼却することができます。そして、このそれぞれのラインから1時間に72000m3の煙を吐き出します。
法律では噴煙に含まれるダイオキシンの量、100pc/m3以下では人体に問題がないと定められています。
パルマの焼却炉は最新の技術で、40pc/m3と規定の半分以下です。
ただ、1日に排出されるであろうダイオキシンの量を想定すると、空気中に98万4288人分のダイオキシンが流れ出すという結果が出ています。パルマ、及び近郊の人口は43万3000人。
空気中に排出されたダイオキシンは、焼却炉近辺に多い牧草地に落ちます。そしてダイオキシンの特徴である脂肪に溶ける性質から牛の乳に入り込みます。
焼却炉建設予定地の近くには多くのパルミジャーノ・レッジャーノ生産者もいます。
CGCR(cordinamento correta rifiuti e risourse di parma)の調べでは、焼却炉は、世界的に作られない傾向になってきていて、アメリカでは違法、日本でも2000年に1715あった焼却炉が2003年には1396まで減らされてきています。
なぜここで今、食の街パルマに建設なのでしょうか?
イタリアの共同通信ANSAは2010年1月27日、トスカーナのピストイアの焼却炉の近くに住む女性の母乳からダイオキシンが抽出されたと報道しました。
また、7月8日、トスカーナのファラスカイアにある焼却炉が2002年時点で、最新技術。拡大しようと、調べが入ったところ、規定の4倍のダイオキシンが排出されていることが分かり、差し押さえになりました。
私は、先に述べた数字とか単位とか、、、、はっきりと分からないし、汚染って目に見えにうちに広がるので、わかりませんが、こういう記事を読むと、パルマの将来が怖くなります。